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合成化学物質が原因と思われるトラブルを抱える人が増えている中、科学的に証明されていないという理由で、経皮毒を「うそ」「でっちあげ」「陰謀」と切り捨てて良いのか?経皮毒の可能性についてインティバリとしての見解を述べたいと思います。

経皮毒とは

経皮毒とは、薬学博士の竹内久米司氏と稲津教久氏らの著書「経皮毒―皮膚からあなたの体は冒されている!」に書かれている造語で、

「化粧品やシャンプーなどの日用品に含まれる合成化学物質が」
「皮膚から体内に吸収され」
「分解されることなく蓄積して健康を損なう」
「場合によっては、胎児にも悪い影響をおよぼす」

という仮説です。2005年に出版された本で、今更という感じもあるのですが(汗、実は、群馬県の上毛新聞にある「視点オピニオン21」というコーナーで執筆することになりまして、初回は賛否両論ある経皮毒を題材に、インティバリのブランドポリシーや考えを伝えることにしました。その流れで検索などして調べたところ、ネット上では経皮毒に対して真っ向から否定する意見が思ったより多く。

実際、「経皮毒」は仮説であって、化学的にも医学的にも証明されていません。専門家といえる人たちの間でも賛否両論です。合成化学物質を配合した化粧品メーカーにとっては、迷惑な仮説だということも分かるのですが、経皮毒を否定する意見の中には、「仮説」ではなく「うそ」「でっちあげ」「陰謀」なんていうのもあって汗。しかしながら、実際問題として合成化学物質が原因と思われるトラブルを抱えている人たちが増えてきている現状において、合成化学物質とそのトラブルの因果関係が証明されていないという理由で、「うそ」「でっちあげ」「陰謀」と切り捨ててもいいのか?ちょっと疑問に思ったので、今更ですけど裏インティバリも、この「経皮毒ネタ」に乗っかろうかと。

反論するサイトの主張

そんなわけで、まず「経皮毒」を否定する反対意見を簡単にまとめました。分かり易くする為に「経皮毒」について、もう一度定義しますが、「経皮毒」は

①「化粧品やシャンプーなどの日用品に含まれる合成化学物質が」
②「皮膚から体内に吸収され」
③「分解されることなく蓄積して健康を損なう」
④「場合によっては、胎児にも悪い影響をおよぼす」

ということになります。それに対しての反対意見は、概ね、

「化粧品やシャンプーに含まれる合成化学物質の有毒性は化学的に確認されていない」
「皮膚にはバリヤー機能があり、化粧品やシャンプーに含まれる合成化学物質は皮膚から侵入しない」
「体内に侵入しないのだから蓄積されないし、仮に侵入したとしても蓄積する物質ではない」
「経皮毒は化学的に否定されている」

という感じです。そんな反対意見を踏まえながら、インティバリとしての見解を述べたいと思います。

インティバリとしての見解

まず、これを言ったら身も蓋もないのですが、
経皮毒を化学的に証明することが重要だとは思っていません。なぜなら、経皮毒に関しては、どうやっても現代化学では証明できないという思いが強いからです。そういった意味で、「経皮毒は化学的に否定されている」というのも、「経皮毒を証明できない」=「経皮毒はない」という論理ではないのか?「そもそも経皮毒を主張する側に立証責任がある」なんてことも科学や法律に詳しい人ほど言いそうですが、責任問題を追求する法廷ではないし、これって完全に科学者目線あるいは法律家目線ですよね。僕たち一般消費者にとっては無意味な議論だと思うんです。証明されるまで待てないというか、後から証明されても遅いというか。健康に関しては、疑わしきは罰せずではダメです。

それから、経皮毒否定派の人たちが言うように、「化粧品やシャンプーなどの日用品に含まれる合成化学物質」は、動物実験により有毒性は発揮しないと認められてはいるんです。ただ、決して「合成化学物質は人体に無害」という意味ではありません。有害性を発揮しない分量だけ配合しているという意味です。つまり短期間においては、その毒性は認められないということなんですけど、10年、20年という単位で長期的に使用し続けた際の影響については、動物実験で明らかにすることは出来ないです。

合成化学物質が主成分の合成洗剤が石けんの使用率を上回った十数年前から、急激に環境破壊が進み、昔には見ることのなかった主婦湿疹やアトピー、若年脱毛などのような原因不明の皮膚障害で多くの現代人が悩まされていること、そしてまた、胎児の発育、卵子や精子の形成、身体の成長・発育など胎児・生殖機能に大きく影響していると言われる環境ホルモンが取り沙汰されている今も、これらと合成化学物質の因果関係は解明されていません。複雑化した現代社会において、10年後、20年後、30年後に出る悪影響の原因を特定することは不可能に近いです。

何が言いたいかと言えば、経皮毒を科学的に証明することはどうやっても出来ないと思いますが、同時に有毒性を発揮しない微量とはいえ、長期的に使い続けた際に出る悪影響の可能性も否定できないということです。

環境問題の観点から言っても、もう何十年も前から、家庭から排出される「化粧品やシャンプーに含まれる合成化学物質」が水質汚染の原因になっていると言われています。これは、個々の物質には、生態に悪影響を及ぼすほどの有毒性はないけれど、「他の毒素と結びつき有毒性を増す複合汚染によるもの」という考えです。更に、その毒素は食物連鎖の過程で生態濃縮され増大して引き継がれるとも言われています。このように、長期間に渡り色々な要因が重なった結果という見方が有力です。

実際、ハワイでは、サンゴ礁の保護を目的に、合成化学物質が配合された日焼け止めの販売を禁止する法令が可決されてます。因果関係が科学的に証明されたわけではありません。それでも、科学的に証明されるまで待てず状況を見ての判断で英断と言えると思います。

更に、薬用石けん|インティバリ・クラブでも書きましたが、2016年アメリカにおいて、抗菌・殺菌作用をうたう薬用石けんの販売が禁止になりました。殺菌剤として知られる19種類の成分が、実は人体に有害となる可能性があるとのことで、該当する成分が配合された薬用石けんの販売が禁止になったのでが、これらの成分が、血液・鼻水・母乳などから検出されたと発表されたのです。検出された物質が人体に有害という可能性、そして、皮膚から体内に吸収された可能性、つまり経皮毒を危惧した英断ですよね?このようなアメリカの動きを受けて、日本でも該当する成分が配合された薬用石けんを規制するようになったようですけど、同じ成分が入ったシャンプーや化粧水、歯磨き粉などの日用品は未だに販売されているらしく、、該当する物質と人体への悪影響との因果関係が解明されてないために規制することが出来ないのでしょう。日本では医薬部外品に当たる日用品の話で、一般の化粧品とは区別されているのですが、一般消費者にとっては、いずれもドラッグストアなどで手軽に買える同じ日用品です。

結論

ここまで、毒性を発揮しない微量とはいえ、継続して使い続けた際の悪影響は否定できないと主張してきたわけですけど、特に、バリヤー機能が著しく低下し敏感肌になってる状態にあったり、妊娠中など抵抗力が弱まっている時は、経皮吸収する可能性が高いように思います。ただ一方で、合成化学物質が配合されている化粧品やシャンプー単品だけとって言えば、それらは肌トラブルの原因にはなっても、それだけで健康を損ねたり、胎児にまで悪影響を及ぼすほどの有害物質だとは思えません。

僕たちの日常には、合成化学物質が溢れています。化粧品ひとつとっても、本来、化粧品、医薬部外品、医薬品と区別されています。それぞれ配合成分が異なり使用目的も違います。たとえば、医薬品は治療を目的に商品化されていますので、それなりに強い有効成分が配合されており副作用も伴います。医薬部外品も、医薬品に比べれば穏やかな作用と言われますが同様の有効成分が配合されています。美意識が高い人ほど、色々な化粧品を揃えて使いわけていると思いますが、それだけ多くの合成化学物質に触れているということです。更に、消臭スプレーや殺虫剤などを使えば、肌に付着する可能もある。柔軟剤も同じです。このように色々な日用品を長期に渡り日々使っています。そして更に、農薬にまみれた農作物やホルモン剤を投与された畜産物、汚染された海産物、合成化学調味料、それから電磁波、ストレスなどが経皮毒と結びつき、複合汚染と同じように毒性を増し、健康を損ねたり、胎児にまで悪影響を及ぼす可能性があると思っています。

つまり、経皮毒は、健康を損ねたり、胎児に悪影響を及ぼす原因の一端を担っているという考えです。

PS
なんか、経皮毒に対して、恐怖とか不安を煽るような内容になってるかもしれず、ちょっと気が引けるんですけど、実際に合成化学物質が原因と思われるトラブルを抱えている人たちがいることを考えると、色々な配慮が出来ず、、、逆に言えば、経皮毒はない!なんて完全否定するのもどうかと思うのですが、とにかく、化粧品製造販売業に携わる者として、また、娘の肌トラブルに悩まされた親として、見解を述べておきたく。結局、何が本当なのか分からないことが多々ありますけど、何にしても自分で判断するしかなく、、、

最後に、合成化学物質を完全否定するつもりもありません。天然成分100%の素材で作った化粧品が合わない人もいます。合成化学物質が主成分の化粧品の中にも、環境と肌への影響を最大限配慮した製品があると思います。そういった品しか使えない方もいるでしょうし。経皮毒を心配するあまり何も使えず、日常生活に支障を起こすトラブルを抱えてしまっては意味がありません。ご自身にあった化粧品を使うことが重要ですよね。

追記(2019年5月)
アメリカでの臨床試験の結果、日焼け止めやリップクリームに配合されている紫外線吸収剤という合成化学物質が皮膚から体内に吸収されると発表されました。それまで、紫外線吸収剤は肌から体内に吸収されないと考えられていましたが、この臨床試験により、紫外線吸収剤が皮膚から体内に吸収されることが明らかになったわけです。紫外線吸収剤が人体に及ぼす影響については未だ解明されていませんが、長期に渡り使用していれば、何らかの影響があると思いますので、使用するにしても、頻度には注意が必要かと。

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経皮毒

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6年間のジャカルタ駐在を経て2000年にバリ島移住。2003年にインティバリを創業して以来、バリ島に骨を埋める覚悟で日々奮闘中。当ブログ「裏インティバリ」では、かしこまった「表」ではちょっと書きづらい、「裏」ならではのインティバリ情報をお届けします。

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インティバリ代表 岡柳 薫

6年間のジャカルタ駐在を経て2000年にバリ島移住。2003年にインティバリを創業して以来、バリ島に骨を埋める覚悟で日々奮闘中。当ブログ「裏インティバリ」では、かしこまった「表」ではちょっと書きづらい、「裏」ならではのインティバリ情報をお届けします。